神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

ゆかるひブックカフェ&ホール

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明るい店内に読み放題の本棚が


「ゆかるひ」はウチナーグチで佳き日という意味。

この名前のカフェが国際通りの近くにあります。

数十人収容できるホールも備えていて、芭蕉布織などの講習会や講演、なかなかレアな映画上映会も行われている模様。カフェでは自然志向のランチやおやつがいただけるほか、沖縄関連書籍や工芸品も充実していて、選りすぐりの本はどれも興味深く、時間を忘れて読みふけってしまいそう。

 

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日曜日はネパールカレーランチ特集

こちらの本棚で発見した高野秀行著「謎の独立国家ソマリランド」が大ヒットだったのでご紹介します。

内戦続きで武装勢力や海賊が跋扈する無政府状態ソマリア共和国。その中になんと独自に武装解除し、長年平和に暮らしているソマリランド共和国なる独立国家があるらしい。国際社会にはまったく認知されていないこの国の謎を追い、世界一危険なエリアに飛び込んだ命懸けのルポルタージュです。

 

海賊国家プントランドや戦国ソマリアに囲まれたソマリランド。はちゃめちゃな乱立構造ですが、根底には氏族(契約)社会が機能していて、各地域で警察や裁判所的な役割も担っており、一定の秩序が保たれているらしい。

ソマリランドではきちんと選挙も行われ、政党は三つまでと定められています。新党乱立で混乱している日本よりかなり賢いシステム。国連や先進国のお仕着せでなく、自分たちで考えて自分たちに合うシステムを作りあげているところが凄いです。

ソマリ人は荒っぽく、人の話は基本的に聞かない。人にものを教えるのは好きだが、教えられるのは嫌い、日本人が「日本はダメだ」と言うのと同じくらいの頻度と強さで、ソマリ人は「ソマリ人は強い」「ソマリランドはいい国だ」と威張るらしい。この威勢のよさ、このセルフエスティームの高さこそ、国連や欧米の言いなりにならず、ユニークなソマリランドを創りあげた原動力ではないかと思いました。

 

「自分の目で見てみないとわからない」のが高野秀行のモチベーションだそうですが、世界はいやはや「読んでみないとわからない」のも率直な感想です。テレビや新聞などの断片的な報道でわかったつもり、が一番危険。実は本質的なことはほとんど何もわかっていないから。

 

謎の独立国家ソマリランド

謎の独立国家ソマリランド