後ろ向きの三毛子
今年は年初から、コロナが原因でもなく講演会の直前キャンセルが続き、がっかりすることが多かったので、気を取り直すべく、桜坂劇場へ「大海原のソングライン」を観に行きました。
「5000年前、人々をつないだものは文字ではなく"音楽"だった」
「東は太平洋のイースター島、西はインド洋のマダガスカルに至るまで16の島国に残る伝統的なパフォーマンスを記録した前例のない音楽ドキュメンタリー」
というパンフレットのキャッチコピーに惹かれて見に行ったオーストラリア・台湾合作映画。率直に言って、各島の音楽家やダンサーをズームで繋いだような、ただの動画でした。
各島の特色や伝統、結びつきを取材して掘り下げることもなく、伝統楽器を扱うそれらしいパフォーマーを各地から集めてアンサンブル、レコーディングするだけ。まったく、You Tubeで十分な内容。料金返してほしいです。
民族音楽が好きな方にはノリのよい映画かもしれませんが、各部族や部族間の繋がりの説明も皆無だし、環境問題に対する薄っぺらいメッセージも無粋で鼻白みました。
賞をいくつも取ってるからって油断できませんね。
それにしても、今後、こういうズームっぽい編集やドローンで安易に作り上げた、無内容な映画モドキが増えるんだろうなと思わされました。