アンドレイ・タルコフスキー監督の第一作「ローラーとバイオリン」が珍しく上映されていたので観てきました。
バイオリン教室に通う少年と路面ローラーを扱う労働者との触れ合いを描いた46分の短編です。1960年の作品で、タルコフスキーは当時28歳。映画学校の卒業制作だそうで、ニューヨーク国際学生映画コンクールで一等を取りました。
豊かな色彩と抒情性、大胆なカッティング、計算された構図などまさに「映像の詩人」誕生を予感させる作品です。
子どもの表現が自然でチャーミング。温かいまなざしと鋭い観察力を感じます。
水、鏡、光など後年多用される彼らしいモチーフが、この時代から花開いていたんだなあと思いました。
タルコフスキーといえば難解なテーマで有名ですが、これは素直な(?)愛らしい小品でした。