神の島 琉球RYUKYU

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黄インイク「緑の牢獄」

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人間て大変よね


かつて西表島には炭鉱があり、そこには台湾人が連れてこられて働いていたそうです。

黄インイク監督のドキュメンタリー映画「緑の牢獄」を観ました。

ジャングルのような西表の厳しい環境にある炭鉱での生活は、別名「緑の牢獄」と呼ばれます。映画は、10歳で台湾人の養父母に連れられ、西表島に渡った橋間良子さん(日本名に改名、当時90歳)を取材しています。


台湾人炭鉱労働者はきつい仕事をモルヒネで紛らわせていました。やがて中毒になり、台湾に戻っても、モルヒネ欲しさにまた西表の炭鉱に戻る人も多かったそうです。労働者を操るために組織的に麻薬が使用されていたのか、そもそも台湾人を日本の炭鉱に連れてきた元締めは誰なのかなど、映画では史実について取材不足ではっきりしません。

いまいち消化不良でしたが、西表に炭鉱があったことも、良子さんのような生き証人がいたこと(2018年に没)も初めて知りました。

 

良子さんには子どもたちがいましたが、家に寄り付かず、晩年は友人もない一人暮らしだったようです。唯一日課にしているのが、先祖参り。墓に向かって祖母、祖父、両親に熱心に語りかける彼女。少女時代は外人扱いされ、村の子にいじめられ、学校にも行っていないといいます。老後は若いアメリカ人男性、ルイスを下宿人に迎えます。ルイスも高齢の良子さんを気にかけ、二人で持ちつ持たれつ仲良く暮らすかと思いきや、良子さんはルイスの飼い犬や生活態度に文句をつけ始め、彼は西表を出ていくことに。

 

牢獄って何だろ?過去に大きなトラウマがあるとそこから逃れるのはかなり困難なのでしょうが・・・もしかして「牢獄」とは自分が作りだして自らを閉じ込めているものかもしれない、と思いました。

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