神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

「A」と「A2」

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中国伝来の土地神様を祀る瀬底土帝君(せそことていくん)       瀬底島

森達也監督のオウム真理教教団に取材したドキュメンタリー映画「A」を観ました。それまでの教団情報を覆す衝撃的な内容だったので、「A2」も続けて観てしまいました。

 

麻原彰晃のような胡散臭い教祖の元になぜ信者が集まるのか。洗脳されているに違いない。それにしても、彼が指示したとされる大量殺人事件の後でも改宗せず、教団に残る信者がいるのはなぜなのか。ずっと不思議でした。

尊師が事件を起こしたからといって、自分の信仰が変わることはない。と信者の一人は言いました。

あ~、彼らは麻原を信仰していたのではない。麻原を信仰する自分自身を信仰しているのだ、と思いました。うまく言えないので伝わらないかもしれませんが、「信仰」そのものに帰依しているというか。だから彼らの信仰は揺らがないのです。そもそも、揺らがないのが「信仰」だからです。なんか崇高な精神を見たような気がしました。

 

教団の起こした大量殺人事件は許されるものではありませんが、事件とまったく関係ない信者を執拗に責めたて、町から追い出し、右翼の街宣車まで出てきてがなり立てるのはかなり行き過ぎではないかと思いました。

人畜無害な信者たちより、大量の放射能を撒き散らした東京電力や、国民の血税をドブに捨てたオリンピック委員会の方が社会悪だと思いますが、こういうデカい組織には物申さず、相手が弱者とみると攻撃してくるのですね。こういう一般大衆と信者らの人間性の違いも、映画ではコントラストとしてくっきりと見せてくれます。

結局、追い出そうとした町の住民と教団信者は言葉を交わすうちに仲良くなり、本の貸し借りをするほどの付き合いも生まれるのですが、そういうことはマスコミはまったく報道しません。「対立」の方がテレビや新聞的には絵になるからです。

真実を報道せず、イメージ誘導するマスコミこそ、我々を洗脳する主犯ではないでしょうか。すでに彼らはマスゴミと呼ばれていますけれど。

また、信者を妨害する警察官(公安?)が無理やり公務執行妨害をでっちあげ、逮捕するやり口にも驚きました。カメラが回っていたので翌日には信者は釈放されたものの、撮影した証拠がなければ当局のいうまま拘留されていたでしょう。オウムと反オウム、どっちがまともなのでしょうか。考えさせられる作品です。