神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

いいね!自然農法

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             沖縄は植物も生物も多様です


福岡正信著「自然に還る」と読みました。

大正2年愛媛県伊予市に生まれ、高知県農業試験場などに勤務したあと帰農、以来、自然農法一筋に生きた人です。

耕さない、肥料をやらない、農薬をかけない、草を取らない。しかも科学農法と同じかそれ以上の収穫ができるという自然農法。しかし、混植で何がどれだけ取れるか形や収量が一定しないため、商業ベースに載りにくく、一般の農家は及び腰のようです。

 

福岡氏によれば、有機農法すら科学農法の系列にあるといいます。自然農法はそれらとまったく違う、「無の哲学」から出発した農法なのです。

農協の指導により、不要な農作業を必要と思い込まされ、そのための大型機械を買わされ、使えば使うほど依存する農薬を買わされ、そのため日本の土地はどんどん疲弊し、収量も減少。

どれだけ余計なことをしないで、自然に還るか。それが自然農法のテーマなのです。

 

「こんな楽な自然農法を誰もやらない、やれないんだ」と福岡氏は言います。それは農業の問題ではなく、政治・経済、みんなの考え方、生き方の問題だからだというのです。

一つのことを変革するには全部のことが変わっていなければならない。ところが、全部のことを変えるためには一つのことから始めなければならない。そのすべてを一挙に変えるカギをもっているのが哲学だ。世界のすべての人の哲学が変わっていなかったら、自然農法はやれないんだ。「わら一本」で農業のことはすべて解決できるんだけど、哲学、思想、宗教、すべての改革ができていないから、これだけ簡単なことができないんだ・・・。

一見、風景の美しいヨーロッパでも、樹木や草の種類が少なく、土地はかなり痩せている。ウイーンの講演会では鳴りやまない拍手だったそうです。

福岡氏はお百姓さんというより、哲学者で、日本の老師のような人。アジアのノーベル賞であるマグサイサイ賞を受賞するなど海外ではかなり有名なのに、日本ではほとんど無名なのもびっくりです(この本を読むまでは私も福岡氏を知りませんでした)。まあ日本で有名な人は海外では無名ですが。

 

我々も自分の身体という自然に対して、ワクチンだの薬だの科学療法で余計なことをして疲弊させているかもしれないと思いました。