神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

シャンタル・アケルマンその2

花咲く木が多い沖縄

シャンタル・アケルマン監督「ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」が非常に印象的だったので、同監督の「アンナの出会い」も観に行きました。「ジャンヌ・ディエルマン」の3年後、アケルマンが20代後半に撮った作品。

「ジャンヌ・ディエルマン」の売り込みで旅をするアケルマンの自伝的作品と言われています。

 

「アンナの出会い」に登場するアンナは映画監督。自らの作品の営業で一人、ヨーロッパ中を列車で廻ります。

列車内は混みあい、車窓の風景は灰色の工場地帯で、無機質で寒々しい。切符や身分証のチェックは厳しく、煙草(自由)は禁止。まるでアウシュビッツ収容所へ向かう列車のような、沈鬱な描写。

旅の途中で友人、知人、一夜のパートナー、様々な人々と関わるのですが、次から次へ、どれも停車駅みたいに、アンナの前を淡々と、風景みたいに通り過ぎていきます。

 

我々の生活も、毒ガス室から毒ガス室へ移動する列車のようなものかもしれませんね。

ファストフード店やコンビニ、スーパーでは毒ガスみたいな食べ物を売ってるし、学校や職場や行政はやたらとルールを作り、行動を制限・禁止し、人々の自由を奪い、マスコミは人々を洗脳し、自分の中に閉じこもるしかない人々はスマホやゲームで頭が朦朧とさせられている・・・。

そういえば、アケルマンはユダヤ人。母親は生還しましたが、祖父母はアウシュビッツ収容所で亡くなったそうです。