神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

脱・日本

今週のお題「マイルーティン」

現存する資料では龍柱が正面向きである

沖縄は意外と文化・歴史・政治・自然科学系など各種イベントが活発な地域だと感じます。東京も多いのでしょうが、多すぎて散漫というか、東京は広くてなかなか通いきれませんでしたが、特に那覇にいますと毎週のように近所で講演、集会やら演劇・演奏・発表会などが行われています。規模の大小にかかわらず、情報源は新聞やチラシ・ポスター、口コミなどネットに載らないものも多いので、チェックが日課となっています。

 

昨日は沖縄唯一のデパート「りうぼう」の入っているビルにあるパレット市民劇場で「琉球民族独立総合研究学会」のシンポジウムに参加。

石垣島出身の神奈川大学教授、後田多敦(しいただあつし)教授による琉球・沖縄史の基調講演がありました。

琉球国の成立はかなり古く、1372年に明へ最初の進貢が確認されていますから少なくとも650年の歴史があります。それに比べて法令上いつ成立したのかも曖昧な日本国に侵略され、1872年琉球国王尚泰琉球藩王に封じ(明治天皇による王権接収)、1875年清国との関係断絶命令(外交権接収)、1876年警察権・司法権の日本への移管命令(警察権・司法権の接収)、1879年命令違反を理由として王権接収と沖縄県設置により、日本に併合されました。

そもそも琉球民族は宗教も文化も言語も歴史も日本人とはまったく違います。そこで明治政府は島言語や国家祭祀を禁じつつも地域祭祀は残すなど、分断と混乱政策によって琉球民俗を破壊し、今ではほぼ達成されています。日本人がそこまで悪賢く侵略できるとは思えないので、やはり明治政府を導入した欧米プロ支配層の入れ知恵があったのではないでしょうか。

 

国内法では解決できないため、琉球人は20余年国際人権機関に救済を求めたり、辺野古基地建設を巡る理不尽な扱いをきっかけに、当時の翁長知事は「沖縄の人々の自己決定権や人権が蔑ろにされている」と国連で世論に訴えました。

2014年国連自由権規約委員会は日本政府に対し、「締約国(日本)は、アイヌ琉球及び沖縄のコミュニティーの権利を十分保障すべきである」と勧告。国連人種差別撤廃委員会は「ユネスコによる独特な民族性、歴史、文化及び伝統の承認にもかかわらず、琉球・沖縄を先住民族として承認しない締約国(日本)の立場を遺憾に思う」としましたが、これに対して日本政府は2016年に琉球人が先住民族であることを否定しています。

それなら日本人と同等に扱ってよ、と思いますが、相変わらず鉄道もない不便極まりないところに住まわされ、渋滞と低賃金、基地(汚染・騒音・事故・犯罪)負担を強いられているのです。

 

近年燃え落ちた首里城の門柱として象徴的な二本の龍柱は、オリジナルは正面向きだったのに、日本政府によって相向きに捻じ曲げられていました。再建を機会に、正面向きに正しく置かれることを期待したいと思います。

琉球人にとって日本は本土でもないし、内地でも祖国でもない。復帰もクソもありません。沖縄が真っ直ぐ正しい方を向いて進めますよう祈ります。

 

宮永栄一「YUGAWAI」(世変い)

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