神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

パラレルワールド

今週のお題「行きたい国・行った国」

金城実氏の彫刻作品

行きたい国というのは特にないが、愛と自由で満たされたパラレルワールドには行ってみたいと思う。並行宇宙というそうで、今現在自分が存在する宇宙とは別に、違う自分が違う宇宙に存在するのだという。

一瞬前の自分と今の自分は違う。これも一種のパラレルワールドだ。一瞬前の自分が何を選択するかによって、何を思考し、どう行動するかによって、無限のパラレルの中からひとつのワールドに突入するのである。

 

無数のパラレルワールドの中にいる無数の「私」は、同じ「私」と言えるのだろうか?

近所の哲学者が言うには、「パラレルワールドの自分は、自分が分かれたものだから、他人ではない。元がひとつでないと、そもそも分割ということができない」そうだ。

それなら、生命も元がひとつなら、それが分かれて自分や他人ができたことになるなあ・・・。

 

沖縄に引っ越した後も、引っ越す前の場所にまだ自分が棲んでいるような気がしてならなかった。引っ越す前の場所で、相変わらず以前の仕事をし、同じメンバーと付き合い、以前の生活圏で暮らしている自分がいるような。

それはそれで、こちらからは「頑張ってるね」と静かに見つめるしかない。パラレルだから、お互いに眺めることはできるけれど、こちらの私とあちらの私が出会うことはない。

また、時々、現実世界そのものがまるで「思い出」のエピソードのように見えてくることがある。これは明らかに今現在の私の視点ではないわけで、別のパラレルに存在する「私」の視点が紛れ込んでいるのではないかしら。

「頑張ってるね」と私を静かに見つめる、別のパラレルにいる別の「私」がいる。

案外、パラレルワールドってひょいと行けてしまう、すぐそばにあるものなのかもしれない。日常生活の中で、誰でも無意識に行き来しているのかもしれない。