神の島 琉球RYUKYU

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映画「標的」

        増殖するぞ~       大石林山

1991年に元慰安婦の韓国人女性の証言を世界で初めて報じた朝日新聞記者、植村隆さん。

なんと20年以上も後、安倍政権の2014年になってほじくり返され、櫻井よしこなど日本会議系勢力による凄まじいバッシングを受けます。「捏造記者」というレッテルを貼られ、誹謗中傷がエスカレート。

植村さんは教職が内定していた大学や家族までも脅迫され、裁判に訴えますが、何か申し合わせたかのように不可解な不当判決

 

他のメディアも元慰安婦の記事を伝えたのに、なぜ植村さんだけが標的にされたのか。それは、朝日新聞記者という全国的にメジャーでわかりやすいターゲットを追い詰め、社会的に抹殺する「実績」を作ることによって、他のジャーナリストを震え上がらせ、自由に真実を報道することを躊躇させ、追及の筆を折らせるためだったのです。

なんとも安倍政権下らしい、卑劣で下等な、エセ右翼的な事件です。格も徳もある本物の右翼とはまったく別物。

植村さんを「捏造記者」と呼び捨てるなら、櫻井よしこなんか記者ですらない、ただの「スケ番」、恫喝専門の「チンピラ」じゃないでしょうか。植村さんや元慰安婦に一度も取材せず、まともな根拠なく書き散らしているのですから。

 

上映後に植村さんご本人と映画監督が登場し、スペシャトークがありました。

監督の西嶋真司さんは元RKB放送のディレクター。このバッシング事件の企画を持ち込んだところ、RKBに断られたため、辞職し、ご自分で会社を立ち上げ、ドキュメンタリー映画として制作されたそうです。

なんか西嶋さんの生き方そのものというか心意気が素晴らしくて、こちらもドキュメンタリーになるのではないかと思いました。

安倍という癌細胞には櫻井よしこという癌細胞がくっついて増殖し、植村隆というキラー細胞には西嶋真司というキラー細胞が援軍としてくっついて癌と戦う。まるで自然の不思議な摂理を見ているようでもありますね。

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