今週のお題「一生モノ」
令和6年元旦に起きた石川県大震災611もそうだが、日本にかなりの影響を及ぼし今だに緊急事態宣言発令中である311東日本大震災は、その深刻度において多くの日本人にとって一生モノの経験ではないだろうか。
この期に及んで遅ればせながらであるが、福島原発爆発時に現場の様子を再現した映画「Fukushima50」のDVDを見た。
「これは大河ドラマだね」と貸してくれた人が言っていたが、その通り、事件の真相に迫るというより、薄っぺらい「感動の」偏向ドラマ仕立てとなっている。
自民党が映画のスポンサーなんじゃないかと思うほど、当時の菅直人首相の素人ぶりをこきおろし、東電幹部を巨悪の根源として罪をなすりつけ、そもそもこんな地震大国に原発を導入した自民党の責任は見事にスルーされている。
吉田所長が事故前に津波対策を潰していたことも言及されていない。
目的はつまり、原発クルーと自衛隊、米軍をただただ英雄にまつりあげるという、まるで「アルマゲドン」の原発版なのである。(トモダチ作戦て、後日莫大な請求書が来たんじゃなかったっけ?)
ラストシーンは右翼チックな桜散る中で、当時の感慨にふける関係者がいたとさ・・・という事故の深刻さと月とスッポンの、痴呆症のようにセンチメンタルな始末である。
当時、原発内で何がどのように起きていたか、政府や東電がいかに無能で暴力的か、ある程度臨場感をもって疑似体験できるし、政治的な印象操作を「学べる」映画ではある。