神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

「復興」は失敗

特別お題「今だから話せること

宮古そばは麺の下に具が隠されている  味変でカレー粉をかけていただく

退役した人々がぽつぽつと本音を語り始めている。人は守るものがなくなってはじめて、やっと自由に話せるようになるらしい。

デモクラシータイムスで日本原子力発電(株)の理事・社長室長を勤めた北村俊郎氏がインタビューに答えていた。彼は原発推進のど真ん中にいた人間だが、同時に被災者でもある。退職後、福島県富岡町に家を建てて暮らしていたからだ。

そこで語られたのは衝撃的な事実・・・まあ、今までも小出しにされてきたことだし、明らかに感じていたことだけれど、要するに311は「巨大組織の無責任体制が引き起こしたものである」と。「外からも中からもチェック機能が働かない」仕組みになっていると。(それなのに原発銀座に引っ越すって、どうかしてると思うけど)

 

恐ろしい話だ。諸外国に比べても、日本の電力会社は原発現場に行くこともなく、何かトラブると何もわからないのでメーカー技術者頼み。メーカーはメンテナンスをなんと6次・7次下請けに丸投げするなど、運営方式が異常なのである。

そういったことを改善するでもなく、エネルギー危機を煽り、この期に及んでまだ原発回帰しようとする岸田政策の危うさを訴えていた。根本的な解決のために運営方法に手をつけないのは、非合理的・非科学的だし、必ずまたしっぺ返しを受けるだろうと不気味な予言も。確かに、この流れで行けば、またどこかで爆発するのは合理的な結末だと思える。次のフクシマはどこなのだろうか・・・。

 

以前、浜岡原発で「水素爆発」があったことにも言及していて、びっくりした。配管トラブル報道があったような記憶はあるが、まさか配管が水素爆発していたとは!

事故を過小に見せかけるのも、原発村の常套手段である。その原発村にいた時に北村氏自身が何かできなかったのか、それについて後悔や苦渋の言葉はなく、現政権の原発政策を批判してもまるで他人事のように聞こえる。世界的な巨大エネルギー&軍事利権に群がる連中の巣窟だから、他人は食い物でしかないのだろう。

 

311はテレビでは、あたかもバラ色の未来に向かっているように演出する復興センチメンタル番組が目白押しだったが、12年経っても事故現場からデブリ1gも取り出せていないことには絶対に触れない。

廃炉方針も時期も何も明確に決まっていないこと、廃炉、補償、放射性廃棄物処理に一体全体いつまでいくら費用がかかるのか、環境負荷や国民負担(電力料金負担)にも、絶対に触れない。

毎時1.1マイクロシーベルト(年間約10ミリシーベルト)の放射性廃棄物が入ったフレコンバッグの山があちこちに野ざらしにされていることも、絶対に話題にしない。

原発回帰政策があるために、電力会社が再生可能エネルギーの開発に注力できないことも言わない。電力会社が地域独占であり、住民が電力源を選べないことも問題にしない。とにかく、大事なことには一切、言及しないことになっている。

 

日本軍の組織的失敗を考察した「失敗の本質」という本を思い出した。

福島県も復興をアピールするばかりで、自分たちが原発を押し付けられた経緯や結局政府に騙されたこと、それに抵抗できなかったこと、陰謀を見抜けなかったこと、最後は金の力に負けたこと、結果、生命と自然環境の膨大な損失を招いたことを潔く認め、その原因を分析し、誰でもアクセスできる記録として日本中・世界中に発信するべきだ。

その「失敗の本質」を合理的・科学的に考察・反省できてこそ、フクシマは世界の教訓となり、尊敬、歓迎されるだろう。貴重な「有難い」経験として。

それこそが、偽物のキャンペーンでなく、本物の復興と言えるだろう。

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