神の島 琉球RYUKYU

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「感染症社会―アフターコロナの生政治」

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今年の海開きは大丈夫かな        那覇 波の上ビーチ


沖縄の新コロ陽性者数は十数名。全国ワースト3位だそうです。特に那覇は人口密集地ですからね。

緊急事態宣言は飲食店や小売業従事者を苦しめるだけで、生活苦による自殺、無理心中による死者数も毎日報道するべきだと思うのですが。大事なことは報道しないのがこの国の王道なんですね。

 

美馬達哉著「感染症社会―アフターコロナの生政治」を読みました。

リスク制御だけを社会の目的とするなら、多元的な価値と民主的討論に基づいた政治は必要なくなり、生物医学的な専門知によって、人間の群れの行動が制御されるだろう。選挙で選ばれたわけではない専門家会議に意志決定を委ね、非常事態を宣言し、移動の自由を制限する隔離・検疫を行い、プライバシー権を制限して接触者追跡を行い、人間の群れをコントロールする。だが、それでは「犬猫同様の始末」だ、と美馬氏はいいます。

 

アフターコロナにおいて非常事態宣言が常態になっていくとき、感染症患者は社会悪とみなされ、恐怖と憎悪の対象となる。リスクの高い行動をする人は劣悪な異分子とみなされ、非難される。ウイルスを持ち込む外国人や清潔度の異なる人びとは人種主義的なヘイトにさらされる。第三波、第四波と繰り返されればリスクマネジメントである生活様式を守らなかった住民が経済活動に支障を来した廉で政府から非難される。

 

しかし、リスクとは何だろうか?新コロはそんなにリスクなのだろうか?新コロに感染しなくても人はいろいろな原因や理由で死ぬ。それより、自分が今日を自由に生きられないことこそ最大の人生のリスクであると思わないのだろうか?そう思わない人が増えているとしたら、本当に危機的な状況ではあります。

 

感染症社会: アフターコロナの生政治

感染症社会: アフターコロナの生政治

  • 作者:美馬 達哉
  • 発売日: 2020/07/07
  • メディア: 単行本