神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

不変の私

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと

 

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               寄り添うふたり


「自分が変わった」とわかるのは、「変わらない自分」が在るからだ。と池田晶子さんが仰っていたと思います。「鉄砲玉が飛んでいく」のが認識できるのは、「飛んでいく鉄砲玉」ではなく、「鉄砲玉が飛んでいくのを見ている自分」。変わる自分というのはいわば鉄砲玉で、変わらない自分というのはその背後にいるもう一人の本家の自分なんですね。

 

ひとりの人間はこの二人から出来ているというのがわかると、人生が少し楽になります。一人で背負いきれない苦労も、二人で励まし合ったり、愚痴を言い合ったりして乗り越えることができるからです。

10年以上前、かなり自由で快適な恵まれた生活をしていたのに、私は突然、精神的な絶不調に襲われました。理由が見あたらないので人にも理解されず、ろくに相手にもされず、病院に行って薬で治る類のものでもないことは自明でした。その場しのぎのカウンセリングもダメでした。

そんな深い闇から救ってくれたのが池田晶子さんの「14歳からの哲学~考えるための教科書~」「14歳の君へ~どう考えどう生きるか~」でした。その後、池田さんや池田さんが紹介する哲学者の本を読み耽り、「本家の自分」を意識するようになってから、フラフラ彷徨っていた「鉄砲玉の自分」がだいぶ落ち着いてきました。

「鉄砲玉の自分」にまだまだ翻弄される日々ではありますが、「変わらない自分」がいつも見守ってていてくれると思うと、思い切って「鉄砲玉の自分」も楽しめるのだと思います。親が子どもを見守り、子どもは親の気配を感じながら安心して遊ぶ感じでしょうか。一人二役、変わっていく自分も、変わらない自分も、どっちも大事な自分です。どっちが欠けても、どっちも自分を認識できないからです。お互いを必要としている、これはLOVEの起源ではないでしょうか。