神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

「ゴールデンカムイ」がスゴイ

夏も終わり

たまたま瀬底島の宿で出逢った漫画「ゴールデンカムイ」。

明治時代の北海道を舞台に、「不死身」の異名を持つ元兵士とアイヌ民族の少女が日本軍や脱獄囚らと金塊の争奪戦を繰り広げる物語です。まだ24巻までしか読んでませんが、完結したそうです。面白すぎて、読み終わるのがちょっと寂しいような。

道内に隠された金塊への手がかりは、網走監獄脱獄囚たちの背中に彫られた刺青。大日本帝国陸軍第七師団、新撰組残党らが入り乱れ、壮絶な金塊争奪戦が繰り広げられます。悪人だけれど憎めない。変態だけれど愛らしい。登場人物のどれも見事にキャラが立ち、人間の複層性を捉えた味わいのある作品です。

 

アイヌ文化についても非常に興味深く学べます。狩りの仕方、獲物のさばき方、食べ方、薬草の用い方、雪山でのサバイバルの仕方・・・自然と共存しながら生きていく叡智を持っていました。アイヌは自分たちで衣食住、何でもできたから、支配者なんか不要だったのです。だからこそ政府に敵視され、根絶されたのでしょう。世界各地の先住民族は皆同じ運命を辿っていますね。支配者にとっては、先住民族の偉大な文化が広く世界中の人々に継承、共有されては困るわけです。支配できなくなるから。

 

翻って我々を省みると、電気やガスがないと生きていけません。エアコンや自転車が壊れても自分で修理できません。家も誰かに建ててもらわないと、自分では造れません。糸も紡げないし、服も縫えません。スーパーがないと野菜も肉も調達できません。誰かに教えてもらわないと学習もできないし、雇ってもらわないと仕事も創造できないという事態に陥っています。こんな状況で自己肯定感を持てと言っても無理ですよね。だって、自分じゃ何もできないんだから。火すら起こせないのですから・・・。

結局自分一人じゃ何もできない(できないように仕立てられた)我々が、支配層に使い捨てにされるのは当然なのかもしれません。いくらでも代わりはいるわけですから。

家畜のように定期的にワクチン打ったり、薬を投与したり、数だけは多いわけですから。

そして、一人で生きていけない家畜が多いほど、支配層は餌をやったりやらなかったり、支配し放題ですから、さぞ嬉しいことでしょう。我々は自由と文明を謳歌しているつもりでも、実は柵の中で放牧されているだけなのではないでしょうか。

 

アイヌ」や「ホピ」とは「人間」「平和の民」という意味だそうです。ホピの言う「コヤニスカッティ」とは「常軌を逸した人生、崩壊する社会」で、我々のことを指すのだそうです。

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野田サトル氏インタビュー

https://konomanga.jp/interview/52634-2