今週のお題「大人になってから克服したもの」
最近克服したものといえば、「鵜呑み」だろうか。
子どもの頃から、先生や親など大人の言うことには逆らっても、新聞やテレビなど権威筋の言うことは無防備にほぼそのまま受け入れていた。
最近になって、やっと、マスコミは大衆を洗脳するためにしか存在しないことに気づき、その目的を察知し、受け取り方も変わってきた。が、テレビを見れば見るほど、まだまだ視点を操作されていると感じる。
たとえば「ナチス」について。我々はナチスについて何を知っているだろうか。
彼らがどう台頭し、どのような政策でドイツ国民に受け入れられ、人気を博していったのか、ほとんど知らない。
マスコミによって、ヒトラー率いる悪魔集団のような、恐怖のイメージを植え付けられているだけである。
武田知弘氏は、ナチス・ドイツでなされた世紀の発明について、軽視、黙殺があることを指摘している。
著書「ナチスの発明」(彩図社)によると、テレビ放送、ジェット機、宇宙開発のほか、扶養控除、源泉徴収、労働者の教育改革、少子化対策など先進的な社会制度や、聖火リレーまでナチス発案だそうである。
手厚い育児支援策、アスベスト対策なども、当時すでに着手していた。
食品合成着色料の禁止、自然農法など、かなりロハスだったことにも驚く。
また、失業対策として、アウトバーン建設費のなんと46%までもが、労働者の賃金に充てられていたという。
日本の高速道路の場合、ゼネコンや地主に払われる割合が非常に大きく、労働者に渡るのは建設費のせいぜい10%程度であるから、ナチスがドイツ国民にとって非常に有能で優秀な政府であったことがわかる。
ナチスはあらゆる企業に秘書として党員を送り込み、不当に高い利益を得ないよう、労働者にきちんと給料を支払うよう指導していた。
また、公共事業で買収する土地は、その事業を行うことが決定した時点の価格で凍結された。不動産業者や投機家による土地の買い占めができないようにするためである。
経済大臣には目利きのヒトラーが党外から財政の専門家を抜擢し、国家経済を立て直し、大規模な公共事業で失業も減らした。
このような世界最先端の科学技術、充実した福祉制度を持つ一方で、他民族に対しては残虐な侵攻、迫害を行った。
あらゆる民族が潜在的に持っているこの矛盾が、最も極端な形であらわれたのがナチスという現象なのである、と分析している。
ナチスを正しく理解することは、我々を理解することなのである。