那覇市の沖縄県男女共同参画センター「てぃるる」で、作家の今一生氏による子ども虐待防止策イベントがありました。
児童相談所や職員を増やしても、全国的に年々増える子ども虐待件数がうなぎ上りです。ここ沖縄でも深刻な事態に。これは、いくら相談件数を増やしても、虐待件数は減らないことを表しています。つまり、蛇口を閉めないと水が溢れるのを止められないということ。虐待を元から絶つ方策を考えないと、子どもがどんどん犠牲になって死んでいくということです。
ではどんな方策があるのか。
まず、子どもも親も人権・親権についてしっかり学ぶ機会を作ることを今氏は挙げています。今の学校は子ども自身の人権についてきちんと教えません。だからイジメが蔓延しているのでしょう。親すら自分の人権について無頓着な人が多いのではないでしょうか。子どもは親の付属物、親の言いなりになる奴隷と勘違いしている人も多いのです。
実際に虐待現場を発見したらどうしたらよいのでしょうか。精神異常の危険な親から子を引き離し、安全な場所に避難させようとしても、現行法では親権者から誘拐罪で訴えられ、警察に逮捕されかねません。こうしたおかしなことが起きないように、誰が緊急保護しても逮捕されない「民間養護者制度」を作る必要があると今氏はいいます。
そして、父母による親権の独占をやめ、子供が親権者を選択・排除・追加できる権利を保障する。父母のみに押し付けられた負担を減らし、子ども自らが安心できる親権者を選ぶことができれば、虐待の温床である「家の閉鎖性」を打ち破ることもできるというのです。
被害者から直接虐待相談を受けることも多い今氏の講演は、この問題の実態を伝え、いろいろな方策を提案するものでした。市議会議員も数名参加されていましたが、施策が少しでも前に進み、一人でも多くの子が助けられるとよいのですが。
今氏は清水有高氏の人気You Tube「一月万冊」のレギュラーなので、これを観て参加された方も多いようです。この虐待防止イベントは沖縄からスタートし、全国ツアーを行うそうです。あなたの街にも行くかもしれません!