神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

壊れる離島~粟国島~

今週のお題「最近壊した・壊れたもの」

 

巨岩がごろごろ粟国島

夏休みはフェリーに自転車を積んで、粟国島に旅した。周囲約13㎞の小さな島なので自転車で十分に回れる。

那覇泊港フェリーターミナルは混雑していたが、粟国行きの窓口だけはなぜかガラガラである。久米島や座間味方面に比べて見どころが少ないわけでもないが、宿泊施設の予約にほとんどインターネットが対応していないとか、夜間まで営業している飲食店が少ないとか、いろいろ不便があるからかな?

アジのトルネードなどがダイバーに人気の島らしいが、東ヤマトゥガーやヤヒジャ海岸など絶景の景勝地でも観光客には会わなかった。沖縄本島からの里帰りらしい家族が一組ウーグ浜で泳いでいるくらいであった。

ウーグ浜ではちょっと潜ると珊瑚の残骸が山のようにあった。昔は一面綺麗な珊瑚礁だったのだろう。今ではシュノーケルで行けるところでは、ほんのちょっぴり残っているだけだ。

 

ちょうどヤガン折目祭りに当たり、三線愛好会や民謡グループによるイベントがあった。民謡グループは島の人々ではなく、沖縄本島からの出張であるという。伝統芸能を受け継ぐ人口も減っているようで寂しい。

締めのカチャーシーにも自ら参加して踊る村人は少なく、なんとなく白けたムードが漂う。村の人口は700人程度だが、見物に来ている人々は数十人と少ない。家に閉じこもりテレビを見ている人が多いようである。

テレビは至るところに設置されている。弁当店の店先にまで用意されている。飲食店でもブースごとにあったし、フェリーの中でも客席の正面に大型スクリーンがあり、野球中継をやっていた。客はイヤでも全員それを見せられるわけである。

火山でできた大自然の残る粟国島で、テレビ漬けになっている村人たち。何か壊れた感じがする。