千賀一生著「0ゼロ フォース」に出会いました!
1万年を超える奇跡的調和社会を築いた、縄文時代の謎を解き明かすファンタジー本です。読むだけで何か悟れる本と言ってよいでしょう。
時代を遡るほど人類は互いに争い、旧石器時代には至るところで殺傷された人骨が見つかっていました。戦いに明け暮れる人類史の中で、縄文遺跡からは武器が発見されていません。長期的な平和社会を実現した縄文は、どうやって成立したのでしょうか。
著者はこの時代の円形ストーンサークルに惹きつけられ、その中央空間に集落のすべての力が結集していると感じます。意識を集中し、無の中心に入っていくと、その無の極点で無限大に解放されたかのような変化が。まるでビッグバンのような、エネルギーの軸のようなものが成立しているのです。それこそ、「柱」(古来、日本人は神を一柱、二柱と数えますよね)。
著者は見えないはずのものや未来のビジョンを見る人で、トンデモ本と言ってしまえばそれまでなのですが、現代のように軸(中心)を失った空間に生きる我々が簡単に外界の力に流され、エゴに依存するという指摘は納得せざるをえません。
縄文の叡智が語ります。
「すべての思想的支配は、本質では、中心力(フォース)の喪失から生まれる。不統一空間にあるあなた方の世界では、常にその中心ならざる中心、すなわち権力なるものが生じている。正しく見える正義こそが、あなた方をその力に引き込んでいる。真理というものは、善悪二元論を超えた統一次元にしかないのだ」
「社会の変革は、たった一点の空間の成立から始まる。その一点を確固たるものにするには時が必要だ。まだ時は満たされていない」
お金のために人類が騙し合い殺し合うこの野蛮な時代の果てに、再び縄文のような理想郷が訪れるのでしょうか・・・。
「人類は本来、宇宙そのものと共鳴し合う力をもっている。先天音は、その共鳴がもたらす音なのだ。我々縄文人は、先天音主体に言葉を用いていた。あなた方は記号的にのみ言葉を用いるために、先天音への感覚を失っている」
確かに、今、私たちの言葉は意味を失っていますね。
人々は自粛して建前しか話さないし、政治家は嘘をつくし、コマーシャルは詐欺、というのが当たり前になっている異常な社会。生きた言葉からフォースをもらうのではなく、ただ記号としての言葉を消費しているだけなのです。そうして、私たちは生きる力をどんどん失っているのではないでしょうか。
大和言葉の原型を話していたといわれる縄文人。「HI」(陽・日・火)や「MA」(間)など現代の言葉につながる符合についての解説にもびっくり仰天の一冊です。