神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

金網と戦跡の島

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琉球新報の記者さんたち


県内出版社の自薦本が一堂に集まる「おきなわ本フェア」がジュンク堂那覇店と銀座わしたショップ本店で11月中旬まで開催中です。

そのイベントのひとつとして琉球新報社会部記者らによる沖縄戦取材に関するトークイベントがありました。

 

沖縄の記者は取材の際、金網(米軍基地の)と戦跡(ガマや防空壕など)に必ず当たるそうです。私も伊江島の浅瀬で不発弾を発見したくらいですから、そこら中、戦跡だらけなのでしょう。しかし、市町村の予算が足りず、私有地や米軍基地内にあるものも多く、ほとんどの戦跡は草木に覆われ、地元の人でも場所が特定しにくくなっているそうです。1313カ所発見された戦跡のうちわずか26カ所しか文化財指定されていません。ほとんどほったらかしです。

 

今年の「慰霊の日」の戦没者追悼式は新コロ対策として、従来の平和祈念公園から摩文仁の国立墓苑に移すという案が浮上していました。が、国立墓苑は戦争犠牲者を美化、英霊視する靖国神社系。なので、県内の識者から猛反対にあい、結局、平和祈念公園に戻したそうです。

英霊なんかにされたらたまったもんじゃありません。あれこれもっともらしい理由をつけて、つけ入るスキを狙う。宅配便のフリした押し込み強盗と同じ手口ですね。

 

学校でも平和学習は形骸化しています。語り部学習が2割、図書展示が8割とか。語り部が減っているのが問題だと言われてますが、戦争の悲惨さを語って果たして戦争がなくなるでしょうか?政府は平和祈念を唱えながら、憲法9条なんかガン無視ですよね。

 

ドイツみたいに徹底的に戦争を検証し、責任者を処罰し、どこで間違いを犯したのか、どうして修正できなかったのか。それを忘れないように教育として確実に子どもたちに伝えていく。そういう努力を日本はまったくしてきませんでした。学校では明治以降の歴史は教えないし、むしろ忘れるよう我々にしむけている。誰が戦争責任者だったかなんて気にしないで、住宅ローンを組んで、頭が悪くなるテレビを見て、死ぬまで働いて、何千万も税金を納めよう!と。

 

本当の敵とは誰なのか。これがわからないと、私たちはまた間違えるのです。

どうして戦争がなくならないのか。誰が戦争を始めるのか。誰が戦争で儲かるのか。本当は私たちは知っています。戦争がなくならない時代に生きる私たちこそが生き証人なのです。

 

 

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