神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

近衛文麿という戦犯

 

高みの見物

近衛文麿(このえふみまろ)って聞いたことあるけれど、よく知らない人が多いのではないでしょうか。

林千勝著「日米戦争を策謀したのは誰だ!」を読み、初めてその足跡を辿りました。

林千勝は天皇主義者ですから、その分バイアスがかかった表現になっていますが、様々な資料を集め、客観的な分析に応える内容にはなっています。

藤原家の子孫である近衛内閣は安倍内閣のように、時宜を見て出たり引っ込んだりする私物化内閣でした。第一次近衛内閣は昭和13年憲法違反である国家総動員法を無理やり成立させます。全体主義的で横暴だったルーズベルト政権と似ています。

 

「日本との戦いは、戦争したくて仕方のない狂人が望んだことだ」

終戦後、マッカーサー将軍にフーバー元大統領が述べた言葉です。狂人とは当時のルーズベルト大統領のこと。ルーズベルトは対日経済制裁など挑発行為を行い、日本の真珠湾奇襲作戦を事前にを知りながら米軍艦を生贄にして、それまで開戦に否定的だった米国の世論を覆し、日本との戦争を確実なものにしました。(911みたいですね)

近衛文麿ソビエトみたいな一党独裁政権を樹立するには、日本を米国と開戦せざるをえないところまで追い込んだところで、自らは後で戦争責任を回避するために首相を辞職し、東条英機に次の首相をやらせて開戦させ、敗戦させ、天皇に責任を擦り付けて追放した挙句に新政府を樹立して返り咲こうとしていました。(もちろん開戦決定した天皇に責任は当然あり、戦後、天皇は自分の保身のためにアメリカに沖縄をリースすることをもちかけたことまでは書いてませんが)

世界中にスパイを駆使し、情報戦に秀でていたルーズベルトは近衛の野望をも掴み、開戦にうまく利用したといえます。ルーズベルトも近衛と同様、表向きはソフトに平和主義を説きながら開戦の時期を狙っていたのです。

一方、近衛は米国やソビエトを利用したつもりですが、米国政府内の共産主義者によって裏切り者として暗殺されたようです。知り過ぎた戦犯は裁判でしゃべる前に消されるのですね。

 

フーバー著「裏切られた自由」より

「どの国が敵かは、宣戦布告によって公式に敵国となるずっと前から決められていた。秘密の戦争は敵国に仕掛けられるだけではない。プロパガンダや嘘の情報を流し、国民世論を操作しようとする。つまりアメリカ国民に対しても仕掛けられているのだ。我が国の(日本に対する経済制裁などの)外交は、実際には戦争行為と変わらないものであっても、我が国が戦争しないための方策だと言い換えられた。戦争するためには憲法の制約があるが、その制約も上手に回避した。日本に対する宣戦布告は議会が行なったが、この時点では戦争になっている状況を追認するだけの意味しかなくなっていた」

中国は敵だと煽る、今の与党や日本維新や日本会議のことじゃないですか?

 

世界中に、日本に、教科書にも出てこない悪党の手口がずらり。人の生き血を吸って肥え太る悪党が悪党を呼び、増長し、寝ても覚めても悪だくみ。この枯渇することのない悪への情熱というのはいったいどこから出てくるものなのか。読んでてひどく気分が悪くなりました。