神の島 琉球RYUKYU

豊かで不思議な沖縄の「今」をお伝えします the journal about rich and mysterious Okinawa today

高橋巌(いわお)著「シュタイナーの人生論」

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       人にも龍柱が必要ではないですか?      かつて首里城にあった龍柱

心から敬愛するわが師、高橋巌先生が講演集を出版されました。「シュタイナーの人生論」です。

本の帯には「どんな存在も尊い」と書いてあります。

この世は無なんだ、私もあなたも幻、実は誰もいないんだ、と主張するリック・リンチツの本を読んで以来、闇の中にいたのですが、近所の人が「どんな存在も幻だから尊いってことです」と解説してくれました。

我々の存在は刻一刻と変化しながら消えていく夕焼け雲のようなものなのかしら。一瞬一瞬、幻のような美だけれど、二度と同じものは現れない。尊いってそういう感じかな?

 

「今、人間にとって大事なのは、真の自己認識です」と高橋先生はおっしゃいます。

「自分は創られた存在だけれども、自分を創った宇宙のエネルギーが自分の中に生きている。自分という存在は、人間であると同時に神でもある。その神の想いが、人間の中に、自分の中に生きている。それを踏まえて21世紀をどう生きたらいいのでしょうか」と問いかけておられます。

創造は動物にはない、人間だけに分け与えられた神の能力。どんなに危機的な状況でも、悲惨な状況でも、人間なら創造的に切り抜けていくことができます。個別の状況の中で、自分なりに、オリジナルに「私の世界」を創造すること、それが、この本のメインテーマでもある「能動的に生きる」ということなのかなと思いました。

そういえば、キリストの磔刑&復活は最悪な状況の中で、イエスが最高に能動的な創造性を表現しています。だから人の心を揺さぶるのではないでしょうか。

 

社会や他人の支配下でずっと受動的に生きていると、鬱になったり、引きこもりたくなったり、自分をこじらせてしまいます。

我々はもともと能動的な存在です。我々は思考存在であり、思考はそもそも能動的な行為だからです。受動的な状態というのは思考をやめた(やめさせられた)状態なのです。ネガティブ思考も、能動的にそれをやっているにすぎません。悲劇的な創造性をやっているわけですね。徹底的にネガティブ思考を突き詰めて創造的に思考すると、突然、反対側に出られたりします。

 

よく読めば、先生もシュタイナーも思考(意識)は存在するが、我々(というもの)は存在しないと言っているようです。リンチツのソフトバージョンですが、リンチツより遥かに遥かに味わい深く、滋養と滋味に溢れた講演録。リンチツが硬くて乾燥した不味い黒パンなら、高橋先生は愛情かけて煮込んだ美味しいおでん。

日本一、いや世界一、真のシュタイナー思想を日々フレッシュに更新されている高橋巖先生。その思想の一端に触れたい方にお勧めの一冊です。シュタイナー本の翻訳も正確さ、わかりやすさ、能動性において高橋巖先生がイチ押しです。

www.shunjusha.co.jp

 

「オリンピック 反対する側の論理」

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ジュンク堂那覇店の教養講座は素晴らしい


ジュールズ・ボイコフ著「オリンピック 反対する側の論理」発刊記念で訳者の鵜飼哲らによるトークイベントがありました。こういうタイトルはイベント告知しにくいのか、別の階でオリンピック関連グッズを売っているためか、ツイッターでしか告知されていませんでした。

森喜朗が会長辞任に追い込まれましたが、彼の女性蔑視発言を真っ先に取り上げ、問題化したのはボイコフだそうです。彼は元サッカー選手でバルセロナ五輪にも出た人。パシフィック大学政治学部教授で、オリンピックの黒歴史を本にまとめています。

 

その昔、ギリシャで発祥したとされるオリンピック。その復活は1894年、戦争で負けたフランスのクーベルタンが、縮こまった若者を再び鍛え直して戦場に送り込めるようにしようと、ヨーロッパの王族などに働きかけた貴族のプロジェクトだったのです。

表向きは「平和」をスローガンに掲げていたものの、競技は国別なので愛国主義を助長し、国同士の闘争心、敵対心をやたら煽る仕掛けになっています。この矛盾、違和感を感じて、オリンピックを胡散臭く思う人は多いのではないでしょうか。そもそも軍隊育成を目標としたオリンピックの元をたどれば、さもありなんですね。 

 

1936年ベルリン大会では「聖火」リレーの際に警備と称してナチスが他国に調査・介入する恰好の口実としました。実は侵略のためなのですけれど。冷静に考えれば、単なる「火」をナチスが尽力して守るわけないですよね。

今だに「聖火」と呼んで有難がっているのは中国、韓国、日本だけだそうです。オリンピックの名誉総裁は天皇ですから、天皇崇拝とも繋がるのでしょう。

 

鵜飼氏はオリンピックや令和フィーバーを「日本型祝賀資本主義」と呼び、警戒しています。為政者が大イベントによって非常事態を作り出し、徹底的な治安管理、顔認証実験などを行い、民衆を一気に統治するビッグチャンスだというのです。

 

1984年ロサンゼルス大会から企業が参入するようになり、開催費用に充てる税金が私企業に流れるという完全犯罪システムも出来上がってしまいました。

国立競技場取り壊し、神宮外苑の再開発も2020東京大会が決定する以前に決まっていたというから驚きです。他国と争って勝ち取った開催地決定も、完全に演出された出来レースだったわけですね。選手村を造った後、マンションとして売り出すなど公金を民間企業に流す回路も抜け目なくできています。

 

多くの人が反対してもなぜか止められないオリンピック。そりゃー国や企業にとっては税金をチューチュー吸い上げる美味しいビジネスですからね。そしてお約束の予算オーバー。いくらでも無限に税金から補填される。予算がアップすればするほど建設業者やセキュリティ会社など利権団体が儲かっちゃって、もうヨダレと笑いが止まらない。

2024年パリ大会、2028年ロサンゼルス大会では何が起こるのでしょうか。かの地では環境破壊、税金泥棒、巨大な監視システムを推進する大会に反対運動が激しいそうです。オリンピックの化けの皮は剥げてきているのです。

 

sakuhinsha.com

 

 

 

 

 

有害情報を報道しない新型コロナワクチン

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ガープ川に渡された鯉のぼり

 近所の家の子どもが夜中に何時間も何か叫んだりキレたりしています。大人の声は聞こえないのですが、何が起きているのでしょうか・・・。身近で壊れていく子どもが多いような気がするのですが、皆さんは感じませんか?

 

今の子たちは赤ちゃん時代からかなりのワクチンを打ちまくられているようです。私が子どもの頃にはなかったヒブワクチンロタウイルスワクチン、四種(!)混合、肺炎球菌ワクチンとか、毎月のように打ってるようなのです。こんなに打って大丈夫なんでしょうか?そもそも打つ必要はあるのでしょうか?

 

無料だから打たなきゃ損みたいな雰囲気ですが、元はといえば我々の税金が投入されています。その莫大な公金に目をつけたのが製薬会社と医療機関ではないでしょうか。

新型コロナワクチンは従来とまったく作り方が違う新種のRNAワクチンですが、世界中で「無料で」人体実験ができるので製薬会社はウハウハだそうです。

このRNAワクチンが有効とされれば、癌治療にも転用でき、また大儲けできるそうです。さらに嬉しい(?)ことにRNAワクチンによって体内で異常な細胞が無限に増殖すれば癌患者=顧客(リピーター)が増えるというマッチポンプですね。

地球資源を獲りつくしたあとは、人体という資源に群がるオオカミ金融の臭いがします。羊みたいに従順な人たちが狙われます。

 

日本でもRNAワクチンを打った直後に亡くなった方もかなり出ています。正常な細胞を破壊するので、死んだ細胞が詰まって血栓や炎症を起こしたり、全身、特に脳に深刻なダメージを引き起こす可能性が高いです。

新型コロナも怖いですが、ワクチンも超怖いですよ~ 

RNAワクチンてどういう仕組みなのか、どういうリスクがあるのか、理解していますか?今週は何人接種後死亡者が出たか、マスコミは絶対に報じませんので、ご自分でしっかり調べましょう。

www.youtube.com

 

「生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事」

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桜坂劇場で突然、上映後に佐古監督のトークイベントが。予告なしなのが沖縄っぽい


佐古忠彦氏はTBSのキャスターとして記憶していますが、最近では「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」のドキュメンタリー監督として沖縄戦後史に切り込んだ手腕が注目されています。

今年は「生きろ 島田叡(あきら)―戦中最後の沖縄県知事」という監督作品を携えて来沖しました。

 

1944年10月10日米軍による大空襲で那覇は行政が麻痺状態に。内務省は翌年1月に大阪府の内政部長、島田叡を沖縄県知事として派遣しました。着任と同時に疎開促進や米の大量確保など、一人でも多くの県民の命を救おうと力を尽くした官吏の記録です。

戦況の悪化に伴い、多くの県民が戦闘に巻き込まれ、島田自身も軍部からの要求と住民を守る行政官としての信念の板挟みになり、43歳で亡くなりました。玉砕こそ美徳という考えに抗ったにもかかわらず、最後は彼も自決とみられています。

 

住民を守れなかったという罪悪感があったのかもしれませんが、戦災は彼の責任ではないのに、なぜ死を選んだのだろうか?島田が職員の縛りを解くために、県庁解散宣言をしたにもかかわらず、なお島田と生死を共にしたい(一緒に死にたい)という職員たちがいたことにも驚きました。

日本人が死を美化しているというか、死によってあらゆることを帳消しにしようとすること、またそれを許容する民族メンタリティには恐ろしいものがあるなと思います。

 

陸軍司令官、牛島満は島田や海軍の反対を押し切って、軍隊を南下させ、多くの住民を巻き添えにします。敗戦模様が色濃くなり、牛島は勝手に自決。司令官を失った軍部は規律を失い右往左往し、住民の敵は米軍だけでなく、日本軍になります。結局、皆が地獄の消耗戦を強いられた挙句、何も得るものはありませんでした。この無責任極まる牛島って典型的な日本のリーダーそのものじゃないですか!?

日本人のメンタリティは典型的なリーダーたちに福島原発事故後も利用されているのではないでしょうか。放射能は怖いが、原発は止めません。皆で被爆すれば怖くない。皆で死ねば怖くない。だから、皆さん、ご一緒に放射能汚染農産物や魚介を率先していただきましょう、とかね。根拠も今後の見通しもないことを無責任に押し付けてきて、最期は皆で玉砕しましょうというパターンです。

ikiro.arc-films.co.jp

「ハジチ 蝶人へのメタモルフォーゼ」

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喜山荘一さんのご専門は考古学でなくマーケティングなのも面白い


ハジチって何?昔、沖縄で女性たちが手や腕に彫っていた伝統的な刺青です。近年、恥ずかしい習俗として隠されるようになり、もはやハジチを行う人はいないようです。

模様が特徴的で素敵なので、ハジチの起源に興味をもっていたところ、ジュンク堂那覇店で喜山荘一著「ハジチ 蝶人へのメタモルフォーゼ」出版記念トークイベントがありました。

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蛹(さなぎ)を模った遺跡図


なんと、凄いことがわかりました!ハジチはただのファッション刺青(いれずみ)ではなく、植物人としての幼い人間が蝶人へ脱皮できるよう祈りをこめた儀式だったのです。

喜山さんは古代遺跡の貝塚を従来のゴミ捨て場という認識ではなく、散らばった貝や骨が星座のように意味のある模様、意味があることを発見しました。考古学者でもなしえなかった快挙です!

遺跡の模様は身近な自然物(虫や花や貝など)としてトーテム(祖先・生命の源)を表していたのです。たとえば、具志川遺跡は蛹(さなぎ)の形を表しています。死者は蝶になると考えられていたようです。実際、人間の頭には蝶骨という蝶の形をした骨があるそうです。蛹の模様を施した土器や蝶型骨器も発見されています。

 

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蝶型骨器と蛹模様の土器


虫は葉を食べて蛹になり、蝶になる。先史人にとっては虫による葉の「食痕」も重要なメッセージで、葉は虫に食べられることによって、虫の一部になり、蝶になると解釈していたようなのです。植物人が蝶人になるため、自らを針で刻むハジチは「食痕」というシンボルでもあったのですね。少女時代からハジチを少しずつ入れ始め、結婚や還暦を機会に増やしていったそうです。

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虫が変態するように、人もメタモルフォーゼするとされました

ハジチは約5000~3000年前から行われ、明治時代になって廃止されたそうです。同時に、古代人の宗教を超えた壮大な宇宙観は失われ、伝承もされなくなりました。ハジチも芸術的な模様を描く遺跡群も世界遺産に匹敵すると思うのですが、完全な形で確認することができるのはもはや具志川遺跡だけ。他の遺跡は出土品をチェックして終了。考古学者は遺跡の形からメッセージを読み解くこともしていないそうです。

 

先史人を現代人の投影で見ては何も見えてこない、と喜山さんは言います。確かに、我々にはゴミ捨て場や工場は必要だけど、先史時代にゴミ捨て場や工場という概念は必要だったか?

もしかすると、いや、きっと少なくとも精神的には現代よりかなり豊かな社会だったのではないか。ハジチという凄い伝統を失った我々こそ、恥じるべきなのでしょう。

manyu.cocolog-nifty.com

ドイツ菓子店「ヒムベーレ」

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本島北部の入り口、本部(もとぶ)の森の中。

米兵の別荘かなと思ったら、ドイツ菓子店「ヒムベーレ」でした。

ゆったりとした敷地内で、池には蛙。猫も数匹戯れる、おしゃれなお店。ザッハトルテやレモンケーキなど手作りスイーツが選べます。まさか、こんなところでドイツ菓子がいただけるとは。

 

沖縄が面白いのは、突然、こういう本格的な店が出現するところでしょうか。それは天然酵母パン屋さんだったり、インドカレー屋さんだったり、ケーキ屋さんだったりするわけですが・・・。

ローカルの定食屋さんも良いですが、内地からの移住者がこだわって作ってるお店を探すと、面白いです。わざわざ沖縄まで来て開店するわけですから、お店は半端なく気合いが入ってます。

また、若いウチナンチュが起業した個人商店も個性的で面白いです。沖縄には製造業がほとんど無いですし、就職するにもサービス業がほとんど。それなら、自分で起業しちゃおうかという気にもなるのではないでしょうか。本土に比べると競争心がないし、場所にもよりますが比較的固定費を安く抑えられるし、起業のハードルは低いようです。

ヒムベーレは贅沢な敷地と建物なので、潤沢な資金の臭いがしますが・・・。

 

 

「あの世がしかけるこの世のゲーム」

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         蘭は年中花盛り    熱帯ドリームセンター


スピリチュアルブームです。並木良和著「あの世がしかけるこの世のゲーム」を読みました。早く覚醒しないと、2021年冬至に宇宙ゲートが閉まり、地球とともに次元上昇できないそうです。別に次元上昇せず、今までと同じ地球に留まってもよいのですが、今回を逃すと次はなんと2万6000年後。ちょっと焦りますね・・・

 

どうやったら「マトリックス」ゲームから目を醒ますことができるのか。「私は目醒める!」と決意し、自分が一番しっくりくる楽しいことに心のベクトルが向くようにすればよいそうです。そして、幸せになる覚悟をする。光のシャワーを浴びる。「どうせ私なんて」など不幸せが居心地のよい人が多いそうですが、そうした負の感情を地球にグラウンディングし、光のエネルギーに変えることをお勧めしています。

 

時間は一本の線上にあるのではなく、宇宙の中に点在する。過去も未来も今も同時に存在しているし、さまざまな選択をした自分が宇宙空間に存在しているそうです。だから、「今」に合わせて過去も未来も書き変えられる。これって量子力学的な世界観ですね。宇宙には何でも在る。ないものは無い。何でもアリって凄いですね・・・

今現在、元気な自分も存在するし、病に倒れている自分も別の場所に存在する。ダラダラ怠惰に過ごす自分も存在するし、目的に向かってバリバリに努力している自分も宇宙のどこかに存在する。

沖縄生活2年目ですが、いまだに東京で生活しているもう一人の自分がいるような気がするんですよね。「思い出す」「想像する」ってそういうことかもしれません。それが存在しなければ、無いものは、思い出したり想像することはできないわけですから。

 

「超」入門 失敗の本質

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もう向日葵の季節           熱帯ドリームセンター


政治をはじめ、経済も教育も世界に遅れ、閉塞感とともに、どんどんダメになる日本。だいぶ前からヤバいと言われていましたが、どうしてこうなったんだろう?鈴木博毅著「超」入門 失敗の本質」を読みました。

大東亜戦争における日本軍の組織的な失敗を分析した書籍「失敗の本質」を元に、現代日本の組織における教訓を引き出そうという本です。

 

ざっくりまとめると

●日本人は大きく考えることが苦手。俯瞰的な視点から最終目標への道筋をつけにくい。

●日本人は練習・練磨が得意だが、革新は不得意。

●自分たちでルールを作り出すことができず、既存のルールに習熟することばかり目指す。

●創造ではなく「方法」に依存し、イノベーションの芽を潰しがち。

●組織の上層部は現場活用が徹底的に下手で、現場と乖離しがち。

●現実を直視し、正しい方向性に組織を引っ張れるリーダーが少ない。

●「空気」に負けたり、厳しい現実から目を背ける思考への集団感染がある。

 

ふだんいろいろと流されがちな自分のことを振り返っても、かなり危ういことがわかります。他人の意見に安易に影響されたり、偏向報道や目先のことに惑わされたり、というのも自分自身にしっかりと考える軸がないからでしょう。この国は危ないですね・・・なんて言ってる場合じゃなく、自分自身が危ないのですね・・・

 

 

凄いぞ!海洋文化館

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タヒチの人々が復元したダブルカヌー


本部(もとぶ)の海洋博公園は人気の観光地。かなり広い園ですが、水族館だけでなく、海洋文化館もお勧めです。

まず、エントランスホールに展示されているのは迫力あるダブルカヌーの復元。他にもミクロネシアの伝統的な美しい大型カヌーや、沖縄で使用されていたサバニ船なども展示されています。金属の燃料タンクをリサイクルして作った船もありました。

 

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パプアニューギニアのモトゥ族が交易に使用したラカトイ


海を活動の舞台としていたモンゴロイドの一団は造船技術や航海術を生み出し、広く太平洋地域に拡散していきました。

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アートな人形や仮面などの展示も

彼らは各地で独自の衣食住を築きあげ、楽しんでいましたが、キリスト教宣教師と名乗る植民地偵察部隊が来て、裸に近い格好で踊るのをやめさせたり、ほら貝を使って讃美歌を歌わせるなど、土着の信仰に介入して、彼らの文化を破壊。それが帝国の目的だったのです。宣教師軍団が乗り込んでくるビフォー・アフターが写真で比較でき、住民が西洋式の似合わない洋服を着せられ、変なマリア像、変なキリスト像、変な教会など違和感が広がっていったことがわかります。

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おしゃれなウクレレ

プラネタリウムホールでは沖縄の民話とからめた季節の番組など毎日数本が上映され、文化館と合わせて入場料大人190円でたっぷり一日楽しめます。無料のガイドツアーでは、見どころも教えてもらえます。海洋国家、琉球が偲ばれますね。

 

 

 

黄インイク「緑の牢獄」

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人間て大変よね


かつて西表島には炭鉱があり、そこには台湾人が連れてこられて働いていたそうです。

黄インイク監督のドキュメンタリー映画「緑の牢獄」を観ました。

ジャングルのような西表の厳しい環境にある炭鉱での生活は、別名「緑の牢獄」と呼ばれます。映画は、10歳で台湾人の養父母に連れられ、西表島に渡った橋間良子さん(日本名に改名、当時90歳)を取材しています。


台湾人炭鉱労働者はきつい仕事をモルヒネで紛らわせていました。やがて中毒になり、台湾に戻っても、モルヒネ欲しさにまた西表の炭鉱に戻る人も多かったそうです。労働者を操るために組織的に麻薬が使用されていたのか、そもそも台湾人を日本の炭鉱に連れてきた元締めは誰なのかなど、映画では史実について取材不足ではっきりしません。

いまいち消化不良でしたが、西表に炭鉱があったことも、良子さんのような生き証人がいたこと(2018年に没)も初めて知りました。

 

良子さんには子どもたちがいましたが、家に寄り付かず、晩年は友人もない一人暮らしだったようです。唯一日課にしているのが、先祖参り。墓に向かって祖母、祖父、両親に熱心に語りかける彼女。少女時代は外人扱いされ、村の子にいじめられ、学校にも行っていないといいます。老後は若いアメリカ人男性、ルイスを下宿人に迎えます。ルイスも高齢の良子さんを気にかけ、二人で持ちつ持たれつ仲良く暮らすかと思いきや、良子さんはルイスの飼い犬や生活態度に文句をつけ始め、彼は西表を出ていくことに。

 

牢獄って何だろ?過去に大きなトラウマがあるとそこから逃れるのはかなり困難なのでしょうが・・・もしかして「牢獄」とは自分が作りだして自らを閉じ込めているものかもしれない、と思いました。

yaimatime.com

 

熱いぞ!熱帯ドリームセンター

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遠見台と庭園


海洋博公園の美ら海水族館に行かれた方は多いと思いますが、同じ公園内の熱帯ドリームセンターまで足を延ばした方は少ないのではないでしょうか。

私も予定になかったのですが、たまたま入園無料日だったので、行ってみました。

 

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巨大なゾウコンニャクに目が釘付け


行ってびっくり。見たことない南洋の花々がいっぱい!トンデモ植物園なのです。まず蘭の種類に驚きます。大小さまざま、色も模様もさまざま。凄い勢いで咲き誇っています。

でっかい朝顔みたいなゾウコンニャク、鹿の角みたいなビカクシダ、食虫植物のウツボカズラ、「上下さかさまの木」と呼ばれるバオバブ、根が退化したサルオガセモドキなど個性派が続々登場。パンノキ、カカオ、タコノキなどふだんあまり見られない木もあって、興味津々です。

ヒスイカズラはシャンデリアのようにヒスイ色の花が咲くそうですが、残念ながら開花期を逃したようで見れませんでした。

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カカオって幹に実をつけるんですね

花だけでなく、昆虫やアロワナなど魚類の展示もあり、一日ゆっくり楽しめます。

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黄金色のカブトムシ


温室にはオオゴマダラが多数飛んでいて、すぐ近くで観察できます。

 

ryukyufun.hatenablog.com

 

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オオゴマダラの群れ


遠見台に登れば、古宇利島や伊江島を展望できます。園内を巡回する係の人がいろいろ教えてくれるほか、フラワーガイドツアーやクラフト体験もあります。いつ行っても季節の花、常夏の花が楽しめるのではないでしょうか。お勧めです。

観ました。映画「私宅監置」

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こんな光溢れる景色も、監禁された被害者は見ることが許されない


先日、原義和監督のトークイベントがあり、これは映画「私宅監置」を観なきゃと思い、行ってきました。

 

ryukyufun.hatenablog.com

 

私宅監置とは、1900年に制定された精神障害者を自宅敷地内の小屋などに閉じ込める法的制度で、あまりにも非人道的なため1950年に日本本土では廃止になったものの、沖縄ではその後も残りました。その理由のひとつに、沖縄の精神障害者が本土の2倍にものぼるというものがあります。なぜそんなに多いのか。精神障害者の年代別推移グラフを見ると、沖縄戦時に悪夢のような幼少時代を過ごした患者がダントツに多いので、戦争のトラウマが障害の原因に大いに関係していると思われます。

沖縄戦で痛めつけられ、のちに精神障害を負わされ、小屋に隔離され、人権を奪われ、本当に沖縄住民の舐めた苦労は測り知れないものです。

 

地域住民に危害を加える「かもしれない」精神障害者の犯罪予防措置として私宅監置は警察管轄となり、警察のいう通りに小屋を設計します。小さな明かり取りの窓と食事を差し入れ口があるだけの、陽の当らない不潔な2畳くらいの独房。穴を開けただけのトイレもむき出しで、悪臭が酷く、顔に蝿が真っ黒にたかっていた患者もいたそうです。

この私宅監置された被害者たちの中には、精神障害はないのに盲人という理由で家畜以下の環境に閉じ込められた人もいます。まともな住民に助け出された人もいますが、多くは私宅監置中に亡くなりました。精神障害死に至る病ではないにも関わらず。

 

監督は西アフリカも取材しています。そこでは住民は精神障害者を隔離せず、足を鎖でつないで一般人と同じ空間で生活させています。障害者の存在を封じ込めるのではなく、地域の医者やスピリチュアリストが治療に当たっており、障害者を抹殺する日本のやり方より人道的・健康的だと思いました。

障害者を家や地域の「恥」として隠し、暴力的に閉じ込める者こそ精神障害なのではないか。人を安易に拘束し自由を奪っても「だって病気でしょ」と何とも思わないメンタリティ。いや~恐ろしい。日本人て簡単にナチス化する、かなり危ない民族かもしれません。

www.nippon.com

山田健太著「愚かな風―忖度時代の政権とメディア」

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 専修大学教授の山田健太著「愚かな風―忖度時代の政権とメディア」刊行トークイベントがジュンク堂でありました。

行政の意思決定過程が不透明であることが日常的になり、為政者たちは開き直っている始末。マスメディアも結局利権団体なので、基本的に追及しません。

因みにNHK国益に反すること、株価が下がりそうなことは報道しないという内部基準があるそうです。つまり、本当に大事なことは報道されないということですね。戦時中の偽報道のことを全く反省してません。いったい何が「国益」なのでしょうか。「国益」じゃなくてNHKの「利益」を守ってるだけで、NHKは国民を守る気は一ミリもありません。戦争や株価下落を心配する人は、NHKが「何を報道しなかったか」を毎日チェックすることをお勧めします。

 

デジタル関連法案も衆議院内閣委員会で30時間弱で採決されたそうです。たった30時間で63本の法改正について一括審議したので、単純計算で1本あたり30分に満たないのです。

法案の中身は、マイナンバーカード保有を国民に義務化することにより、個人情報の政府集中管理を進めること。個人情報の利活用を本人の許可なく円滑に行えるようにし、経済成長の柱にすること。つまり、国民の情報を利用して国や企業が支配や金儲けをしやすくするということですね。

 

今は謎の多いコロナ禍で緊急事態宣言がたびたび発令されています。福島原発事故の緊急事態宣言もまだ発令中のまま。こうした異常事態を一般化させ、移動や集会の自由を制限することに抵抗感をなくさせることが狙いとも言われています。

日本国民の敵は中国とかアメリカとか抽象的なものではなく、日本を海外に売る売国政治家、大手派遣会社などの奴隷商人、東電などの無責任実業家(日本人とは限りませんが)であることをはっきり教科書にも記載した方がよいと思うのですが。子どもたちのためにも。

ryukyushimpo.jp

フクシマの処理水「飲んで応援」しよう

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何でもかんでも海に捨てるな!


政府は東電・福島第一原発で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む処理水を、海へ放出する方針を決めました。
2年後をめどに海への放出を開始できるよう設備の設置などの具体的な準備を進めることになっています。

放出にあたっては、トリチウムの濃度を国の基準の40分の1、WHO=世界保健機関が示す飲料水の基準の7分の1程度に薄めるそうです。せっかく飲めるほど安全なのですから、水ももったいないですし、東電と国会議員に飲んでもらうのが一番よいと思いますが、いかがでしょうか。

もし彼らが拒むなら、それは「風評被害」に他なりませんね。安全を徹底し、風評を抑える対策としては、率先して飲んでいただくのがベストでしょう。

フクシマの農産物も「安全?」なので「食べて応援?」を国民に勧めているわけですから。この国では国民皆で頭を丸めて「応援?」するしかないわけです。

 

そういえばワクチンも「安全?」なので「打って応援?」みたいなことになってますね・・・。

cnic.jp

<bad translation>

Radioactive materials such as tritium, which continues to increase at the TEPCO and Fukushima Daiichi nuclear power plants. The government has decided to release treated water containing them into the sea.
 They are supposed to proceed with concrete preparations such as installation of equipment to start the release to the sea two years later. 
When releasing it, it is said that the concentration of tritium will be diluted to about 1/40 of the national standard and about 1/7 of the drinking water standard set by WHO = World Health Organization. It's safe enough to drink, so I think it's best to have TEPCO and members of the Diet drink it to save water. What do you think? If they refuse, it's nothing more than a "harmful rumor." It is best to take the initiative in drinking as a measure to ensure safety and suppress rumors.
They are also recommending "eat and cheer" to the people because Fukushima's agricultural products are also supposed to be "safe". In this country, all the people have no choice but to "support". Speaking of which, vaccines are also supposed to be "safe", so we are supposed to "inject and support" ..

タルコフスキー「ローラーとバイオリン」

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       街を歩くと猫がいる         やちむん通りの三毛猫


アンドレイ・タルコフスキー監督の第一作「ローラーとバイオリン」が珍しく上映されていたので観てきました。

バイオリン教室に通う少年と路面ローラーを扱う労働者との触れ合いを描いた46分の短編です。1960年の作品で、タルコフスキーは当時28歳。映画学校の卒業制作だそうで、ニューヨーク国際学生映画コンクールで一等を取りました。

 

豊かな色彩と抒情性、大胆なカッティング、計算された構図などまさに「映像の詩人」誕生を予感させる作品です。

子どもの表現が自然でチャーミング。温かいまなざしと鋭い観察力を感じます。

水、鏡、光など後年多用される彼らしいモチーフが、この時代から花開いていたんだなあと思いました。

タルコフスキーといえば難解なテーマで有名ですが、これは素直な(?)愛らしい小品でした。